利益を削って消費増税分を負担 価格転嫁できない中小企業の苦悩

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「転嫁カルテル」を独占禁止法の適用除外として容認

   こうした提言を受け、政府は5月31日、価格転嫁対策の中間報告をまとめ、下請けなどの中小企業が増税分を製品価格に上乗せすることに限っては、同業者と共同で取り決める「転嫁カルテル」を独占禁止法の適用除外として容認することを打ち出した。具体的には、中小企業の業界団体などが対象の製品やサービスを決め、価格に転嫁する幅や時期を事前に取り決め、公正取引委員会に届け出れば、適用除外を認めることを想定している。

   1989年の消費税増税時にも転嫁カルテルは3年間の時限措置として認められたが、97年の5%へのアップ時は「消費税が定着している」として見送られた。今回認めるのは税率が2段階で2倍に上がる(2014年4月に8%、2015年10月に10%)ことを考慮したと見られる。

   与党、政府は価格表示の弾力化も検討。値札などに税込み価格を明記する「総額表示」を引き続き義務づけるものの、税率引き上げが2段階で行われるのに伴う値札の張り替えなど事務負担増に配慮し、書籍を対象に行われている「本体価格+税額」とする表示方法を他の製品にも拡大することで、税率引き上げへの企業の対応を容易にする方針だ。

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