3DSの韓国発売日は間違っていなかった
日経産業新聞が3月16日の紙面で掲載した「任天堂3DS アジア市場に的」という記事は、「ニンテンドー3DS」を4月28日に韓国で発売し、今夏には香港と台湾の市場にも投入するという内容だ。このときも任天堂は同紙の発行当日にリリースを出し、「憶測に基づいて書かれたもの」と事実関係を否定していた。
ただしこの記事は、あながち間違ってはいなかった。任天堂広報に確認すると、3DSが実際に韓国で発売されたのは、記事にあるとおり4月28日だったのだ。「結果的に記事通りになった」かもしれないが、日経側が事前に詳細をつかんでいたとも考えられよう。
会社として公式に「憶測だ」と断じた以外に、日経報道をめぐる騒動はほかにもある。2月22日、岩田社長がツイッターで「月曜日に電子版媒体で当社に対する不正確な報道がありました」と指摘した一件だ。これは2月20日、日経電子版に掲載された「岩田社長が口にした、任天堂の『没落』」という記事を指しているとみられる。刺激的な見出しは、記事冒頭に登場する「このままでは没落してしまう」という、岩田社長が語ったとされるフレーズからとったものだ。
ツイッターで岩田社長は「このようなことが何度か続いていますが」と、過去にも類似のケースがあったとにおわせた後、「文脈を無視して恣意的に言葉を抜き出したり、事実と憶測を混ぜて書いたり、まるでゴシップ誌のような手法を採られていることに驚いています」と手厳しく批判した。
過去の経緯もあってか、任天堂は今回の「Wii U」報道否定の際にわざわざ「数多くの間違い」「全くの憶測」と強めの言葉づかいで、日経に対する「怒り」を表現したのかもしれない。