内閣改造で退任した小川敏夫前法相は2012年6月4日午後に開いた退任会見で、陸山会事件を担当していた検事が虚偽の捜査報告書を作成していた問題をめぐり、検事総長に対する指揮権の発動を野田佳彦首相に相談していたことを明らかにした。
陸山会事件では、民主党の小沢一郎元代表の元秘書、石川知裕被告を取り調べた東京地検特捜部の田代政弘検事=現・法務総合研究所=が、実際にはなかったやり取りを捜査報告書に記載したことが明らかになっている。市民団体が虚偽有印公文書作成・同行使容疑で告発したが、田代検事は嫌疑不十分で不起訴になる見通しだ。
小川前法相は、指揮権発動で田代検事に対する捜査を徹底させる狙いだったとみられるが、野田首相は了承しなかったといい、実際の発動は見送られた。