自民は衆院解散の確約が条件か
しかし、改造に踏み切ったとしても、消費増税法案の成立に自民党が協力姿勢に転じるかは不透明だ。朝日新聞によると、自民・谷垣禎一総裁は、法案に賛成する代わりに野田首相に衆院解散を確約させるか、早期採決に持ち込んで賛否の分かれる民主党内を混乱させ、解散につなげる戦術だという。問責決議の2閣僚交代は「当然のこと」との自民幹部のコメントを引用し、決定打にはならないとの見方を同紙は示す。
内閣改造を明らかにする前の6月3日午前、首相は小沢元代表と2度目の会談に臨んだ。しかしこの日も互いの主張は平行線のまま。小沢元代表は会談後、記者団に対して、今国会で法案が採決された場合は反対票を投じる意向を示した。一方で、民主党を離党する可能性はきっぱりと否定、首相からまた会談要請があれば「いつでも応じる」とこたえた。
これに対して首相は、消費増税案について野党との協議を進めていく旨を小沢元代表に伝えたと話し、法案の今国会中の成立に改めて意欲を示した。
だが現時点では、法案成立に小沢元代表の協力は得られず、秋波を送る自民党も内閣改造だけでは首をたてに振らない可能性が高い。会期末が迫る中、首相の次の一手に注目が集まる。