本棚では、みんな「見栄を張っている」
調査を行った会社にとっても、
「電子書籍端末を持つことで、何を読んでいるかを隠しやすくなるが、成人小説を読むために電子書籍端末を買った人がこんなに多かったというのは、驚くべきことだ」
と、予想外の結果だったようだ。
これに対して、紙媒体の本を収納する本棚では、ずいぶん「見栄を張っている」ことが明らかになっている。今回の調査に答えた人の本棚のうち、71%が自伝、政治的な回想録、ノンフィクションで占められていたが、これらのジャンルが電子書籍端末に入っている割合は14%だった。さらに、55%が「本棚の本のうち、3分の1も読んだことがない」と回答し、約10%に至っては、「全然読んだことがない」としている。
これに対応する形で、成人向け小説の市場も急拡大している。販売されている全ての成人向け小説のうち、半分が電子書籍の形式で売られているのに対して、一般的なフィクションでは、電子書籍化されているのは20%にすぎない。また、成人小説を出版しているミルズ・アンド・ブーン社は、紙媒体で55タイトルを発売しているが、電子書籍では、およそ2倍の100タイトルを発売している。