「一般の感覚からかけ離れたようなところに受給者が住むのは議論がある」
それによると、ローンの返済期間が短期間で支払額も少額である場合、保護を適用することができる。地域の住宅事情や、世帯の状況を含めて判断するので、ローン支払額等の基準を「一律に示すのは困難」としているが、目安としては、残りローン期間が5年程度で、残額は300万円以下程度。毎月の支払額は世帯の生活扶助基準の15%以下程度となっている。
東京都23区の3人世帯(33歳、29歳、4歳)で考えると、生活扶助基準額は17万2170円なので、毎月の住宅ローン支払額は2万5826円以下でないといけない。
一応、条件付きで認められているが、かなり特殊なケースのようだ。さらに、厚生労働省社会・援護局保護課の担当者は「マニュアルではそうだとしても、現実ではほとんど認められない」と語る。やはり、生活保護でのローン返済というこことになるのがダメだという。
ところがローンを支払っていても、生活保護受給者が本人でなく、母親や子供の場合は認められる可能性があるようだ。
生活保護は申請者本人の世帯が困窮しているかで判断される。梶原さんが住宅ローン月40数万円を支払っていても、援助する余裕がないと申告すれば、困窮状態にあるとする母親は生活保護が受給できる。福祉事務所は援助を強制することもできないので、高収入の親族がいても、断られれば生活保護が受給できるというのが現状だ。
今回のように親族名義のマンションに受給者が住んでいるケースについて厚労省は「マンションは受給者本人のものではないので直接法には触れない。しかし、一般の感覚からかけ離れたようなところに受給者が住むのは議論がある」と話していた。