ハズレが続くと買う気がしない
長年にわたり競馬界を取材してきた瀬戸慎一郎氏は、JRAの売上げ減について、「バブル期に増えたはずの競馬ファンが、離れていることが大きい」と指摘する。
バブル期の競馬ファンは多くが40歳代以上。「たしかに、給料が上がらないこともあって馬券を買う余裕がないのかもしれません。でも、馬券を買う人は当たったから次も買おう、という人たちですよ。いまの競馬、というか馬券が難しいんですよ」と続ける。
いまはパソコンやケータイからも馬券が買えて、買おうと思えば1日12レース、3開催で36レース全部買える。馬券の種類も1着を当てる単勝や馬連、3連単(1~3着の馬を着順どおりに当てる馬券)に、最高2億円の配当があるWin5(日曜日の指定された1~5レースの1着を当てる馬券)など、種類も豊富だ。
払い戻し金額も万馬券はもちろん、10万馬券、100万馬券がいつ出ても不思議ではなくなった。
前出の瀬戸氏は、「100円から買えるので、JRAとしては買い目を多く買ってもらおうと考えたのかもしれませんが、買える(使える)金額は決まっているのに、射幸心を煽って高配当が期待できる複雑な馬券を買わせても、ハズレが続けば楽しくなくなる。自然と足は遠のきますよ」とみている。