お笑いコンビ「キングコング」の梶原雄太さんの母親が生活保護を受給していた件で、梶原さんは記者会見を開き、受給の経緯などを釈明した。
しかし梶原さんに対する不信の声は鳴り止まない。「40数万円のローンを毎月支払いながら、親を扶養しなかった」という点が多くの人の心に引っかかっているようだ。
他の親族トラブルで家を担保に借金していた
梶原さんは2012年5月30日、都内で会見を開いた。母親の生活保護受給の経緯について、弁当店で働いていたが足を骨折して働けなくなってしまい、復帰するときにその弁当店が倒産してしまって働き口がなくなってしまった。他の仕事を探そうとしたところで祖母の介護が手一杯になり、働けない状況になってしまったという。受給を開始したのは11年3月で、打ち切る5月末までで約140万円を受け取った。
生活保護を受給するには預貯金がなく働くこともできない、親族が扶養できないという条件が必要だが、梶原さんは母親が住むマンションのローンなどで毎月40数万円を支払っていた。本当に支援できなかったのか、マンションを売却したり担保にして借金したりという方法もあったのでは、という疑問については「他にも親族でトラブルがあったりして、そちらの方も援助する時もあった」「細かいことは言いたくないですけども、親族のトラブルがあって、実は僕が購入した家を担保にお金を借りているという状況がありまして、現状僕が購入した家を売ったりだとか、それを担保に短期ローンを組んだりすることができない状況でありました」と説明した。
梶原さんは「正直なところ本当にぎりぎりな(生活の)時があったので」とし、適切な申請をして受給に至ったので「不正受給をしているという感覚は正直なところありません」と断言した。最後に「職業上芸人なので、皆さんに笑顔を与えることができるよう頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします」と芸能活動を今まで通り続ける意思を明かした。
申請者が困窮していれば支給するしかない
会見を見た人はツイッターで、「40万稼げたら凄い世の中なのに、それを40万毎月返済出来るキンコン梶原。会見で説明してるけど考えが間違ってると思わないのか?」「高額品、購入して生活が出来ない状態ならば『生活保護、受給』出来るって事?だったら国民全員で福祉事務所に行って申請しますか?」「マンション支払いを生活保護支給が支えていたとしか見えないし、事実そうだろう」などとツイートしている。
やはり「40万円以上のローンを支払いながら母親に生活保護を受給させていた」という点に疑問を持つ人が多いようだ。
高額のローンを組んでいるにもかかわらず、なぜ生活保護を受給できたのだろうか。大阪市福祉局保護課に問い合わせたところ、一般的には高額のローンを返済している本人が生活保護を申請した場合、まずは家を売るなどして精算してもらうように説得するという。
ただし梶原さんの場合、母親のマンションは持ち家ではなく、梶原さんの名義。申請者とは別世帯になる。
生活保護は、申請者本人の世帯が困窮しているかどうかを基準に支給が決まる。別世帯の扶養義務者に対しては、扶養の意思確認をするが、さらに詳しい資産などの調査は難しい。扶養の強制もできないので、今の制度では扶養が困難だと言われてしまったら支給せざるをえない、と話していた。