オリンパス「再建」向けて動き出す 「解職」社長と和解へ、資本提携先も浮上

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   2011年秋に巨額の損失隠しが発覚して存続すら危ぶまれていたオリンパスが、「再建」に向けて歩み始めた。

   損失隠しの疑惑を追及して社長を「解職」されたとする英国人のマイケル・ウッドフォード氏との損害賠償訴訟は和解が成立する見通しとなり、自己資本の充実を狙いに模索中の資本提携先も浮上し、気がつけば株価も2012年5月30日終値で前日比47円高の1214円まで上昇している。

医療、カメラ、ライフサイエンスの3本柱で生き残り

オリンパス、「解職」社長との和解が成立する見通しに(写真は、オリンパスのホームページ)
オリンパス、「解職」社長との和解が成立する見通しに(写真は、オリンパスのホームページ)

   オリンパス株の上昇は、同日付の朝日新聞が「数百億円程度の出資を受ける資本提携を目指し、ソニーとパナソニックに絞って交渉を進めている」と報じたことが材料となった。6月末にもオリンパスがどちらかを選ぶとし、出資後の持ち株比率は10%を超えて同社の筆頭株主になる可能性が高いと伝えた。

   オリンパスによると、「中期経営計画の内容は現在検討中です。そのなかでは単独での再建を含めて検討していますが、自己資本が低下していることもあり、提携先を検討していることは事実です」と説明している。

   現在、同社で決まっていることは、内視鏡などの医療事業とカメラ・映像事業、顕微鏡などのライフサイエンス事業の、3事業を「柱」としていくことだけ。「他の、たとえば情報通信事業などは売却の対象になります」と話している。

   そうした中で、同社の「重荷」になるのが、損失隠しで多くの株主から求められている損害賠償請求などの訴訟問題だ。しかし、そのうちの一つ、ウッドフォード元社長が「解職は不当」として損害賠償を求めていた裁判は、和解する見通しがついた。

   ウッドフォード元社長は複数のメディアに、「きょう(5月29日)で終わりにできればと思います。オリンパスも私も前に進むことができます」とコメント。和解金額は1000万ポンド、約12億5000万円になるとされる。

   オリンパスが6月8日に開く取締役会で承認すれば、正式に和解が成立する。

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