愛媛県の小学校が、予定していた福岡県北九州市への修学旅行を延期した。北九州市で震災がれきの焼却処理が始まったのが理由で、保護者から「安全に対して不安がある」といった声が出たのだという。
修学旅行を取りやめたのは愛媛県松山市の日浦小学校。学校によると、2012年5月24日から25日にかけ、6年生の6人全員で広島県の平和記念公園や山口県の水族館を訪れ、北九州市内で1泊という予定だった。
スペースワールドが焼却施設に近いのを不安視
しかし、北九州市でがれき焼却が始まった23日に6年生の保護者代表から「安全に対して不安がある」という連絡があった。学校側は市のサイトで安全であることを確認し、保護者や生徒にも伝えてきたが、最終的に6人全員が修学旅行をキャンセルすることになり、延期となった。
保護者からは旅行日程にあったスペースワールド(北九州市)が、がれき焼却が行われている工場の10キロ圏内にあることを気にする声もあった。今後の日程やコースは未定で、これから検討するとしている。
東京都や静岡県島田市などで東日本大震災に伴うがれき処理が始まっているが、北九州市では西日本で初めて受け入れを検討するための焼却試験を行った。
5月22日、津波で大きな被害の出た宮城県石巻市のがれき約80トンを積んだトラック27台が北九州市内に到着。23日から25日にかけ、市内の日明工場と新門司工場で焼却している。
「風評被害もいいとこだ!」「虚構新聞ですか?」
市によると、工場敷地内で連日放射線の線量測定を行っている。現在のところ異常な数値は出ておらず、自然界と同レベルだという。25日に新門司工場の敷地境界4か所で計測された1時間当たりの空間放射線量は、0.07マイクロシーベルトで受け入れ前と変化はなかった。日明工場の最新24日のデータもほぼ同じような数値だ。
震災がれきの処理を巡っては、放射能を心配する近隣住民によって反対運動が行われているところもある。しかし、がれき処理が行われている地域への1泊2日の修学旅行を延期するというのは異例だ。
ネットでも話題になり、数多くの意見が寄せられた。ツイッターや2ちゃんねるでは、
「当然です、保護者が不安になるのも、学校が延期判断をするのも。北九州市の責任は重い。学校や保護者のことを、過剰反応などと決して言わないようにしていただきたい」
「それが子を持つ親の当たり前の反応」
と賛同するものもあったが、
「宮城県石巻市なんて全く問題ないのにいまだにこの騒ぎか」
「えっ?虚構新聞ですか?」「風評被害もいいとこだ!」
「健康に不安ありなら北九州市の住民は避難しなきゃならない」
「たったの一泊二日でしょうに…」「子供の教育の前に、まずは親の教育が必要だなw」
というものも多いようだった。学校の方にも、今回の報道が出てから賛否両論の意見が寄せられているということだ。