自民系候補当選すれば「長崎に対して『それなりの姿勢』」
なお、中村知事は10年2月の知事選で初当選している。自民・公明などの支援を受けた中村氏が、民主・社民・国民新の与党3党(当時)の推薦を受けた元農水官僚の橋本剛候補を大差で破った。
今回の陳情拒否は、この時の「遺恨」が背景にあるのではないかという見方もある。例えば、石井一選対委員長(当時)が10年1月29日に島原市内で行った橋本候補の総決起集会で、
「そういう(中村知事に票を投じるという)選択を長崎の方がされるのなら、民主党政権は、長崎に対して『それなりの姿勢』を示していくだろうと私は思う」
と発言。「それが政治」だとも付け加えた。
地元の長崎新聞は、県知事選開票直後の10年2月25日に掲載した論説で
「本県有権者が民主党候補を知事に当選させなければ、政権党の力を使って県民全体に不利益を与えると脅した、まぎれもない恫喝発言である。われわれは、断じてこれを許さない」
と、石井氏の発言を激しく批判したが、この懸念が図らずも現実化しかねない形だ。