日航好決算に全日空イラつく 「フェアな競争といえるのか」

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再建と公正のバランスは?

   破たんによる効果でV字回復を達成し、今や以前にも増して巨大な力を身につけつつある日航。日航の破たん前後から「公平公正な競争環境を」と訴え続けてきた全日空にとっては、「競合会社である我々のことを考慮しないで日航支援が優先されているのではないか。市場がゆがめられていないか」との不信は根強い。日航は多額の繰越欠損金により、今後しばらくは法人税を支払わない状況が続く見通しで、全日空との差が一段と広がる可能性は絵空事ともいえない。

   もちろん、伊東社長は会見でも「日航の再建は会社更生法に基づき、合法的、適切に行われた。法律がおかしいとは言わない」と語る。ただ、それでも「市場はこのままでいいのか。日航と全日空との最終利益の差が今後も続くとしたら、かなりの差が出ると危惧する」と厳しい表情を見せた。

   こうした全日空の懸念に対し、前田武志国交相は18日の記者会見で、「お互いに競争できる環境になった時、一方には手厚い支援があったじゃないか、という議論は当然あると思う。国交省としては公平公正な競争環境を作るよう、やれることはやる」と述べたが、具体的な言及はしなかった。

   多額の税金を投入した日航の再建は必ず成し遂げられなければならない。一方で市場の健全な競争環境は保たれねばならず、日航再建はさまざまな課題を抱えている。

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