「勘違い」で間違った滑走路に着陸
4件目のトラブルは、4月22日の新千歳発茨城行きのBC794便。茨城空港には2本滑走路があり、管制官は西側の滑走路に着陸するように指示していたが、飛行機は「勘違い」で東側に着陸した。周辺に他の飛行機はいなかった。
5件目は、5月9日に成田から旭川に向かう便で、主翼の防氷装置を誤って作動させたというもの。
最後の6件目は、国交省は「社内の意思疎通が不十分」だとして問題視しているトラブルだ。
国の規定によると、パイロットは24時間のうち8時間以上飛行機に乗務してはならず、社内で決めた勤務時間を超えて勤務してはならないことになっている。スカイマークの場合、24時間のうち13時間以上勤務してはならないと定めている。ところが、4月30日に夜遅くまで、5月1日に朝から勤務していた副操縦士が、乗務時間を36分、勤務時間を2時間34分超過していた。スカイマークの勤務管理システムでは月ごとに乗務・勤務時間を管理しているため、月をまたいでしまうと超過乗務・勤務が把握できないという不具合(バグ)があったのが原因だ。システム担当者はバグを把握していたが、パイロットの勤務を管理する担当者は把握していなかったという。副操縦士が「乗りすぎなのでは」と気付き、会社側に確認したところ、超過乗務・勤務が発覚した。
国交省は2010年4月にも、スカイマークに対して「安全運航体制の確立のための業務改善勧告」を行っている。客室乗務員(CA)の英語力不足が原因で外国人パイロットの意思疎通が十分にできなかったり、パイロットが操縦室で記念撮影を行っていたことが明らかになったことなどが原因だ。今回、国交省からスカイマークに対して出した文書では、
「当該業務改善勧告を受けて実施してきた対策の効果が十分でない面があると言わざるを得ず、誠に遺憾」
と、強くスカイマークの対応を非難している。
国交省では6月5日までに改善策を報告するように求めており、スカイマークの広報担当者は、
「改善策の報告に向けて、社内で対策、検証を進めている」
と話している。