2012年6月6日に日本武道館で行われる「第4回AKB48選抜総選挙」の開票イベントで、「ここにいたこと席」という座席が販売される。
メンバーの姿は一切見ることができないという席で、チケット料金も格安だ。「ここにいたことを証明するだけ」の席は、果たしてどれだけ埋まるのだろうか。
「ステージは全く見えません。開くのは心の目」
AKB48の公式ブログで5月22日、選抜総選挙のチケット販売に関するお知らせが更新された。すでに先行予約を受け付けていた通常の指定席のチケット(3000円)に加え、「死角席(しかくせき)」、「2階後方立見」そして「ここにいたこと席」を追加販売するという。
「死角席」(1500円)はステージの両サイドに位置する席で、セットや機材の関係上メンバーが見えづらい可能性のある席だが、イベントではステージ下に全メンバーが着席し、名前を呼ばれたらステージに上がっていくので、運がよければ待機中もステージでの表情もどちらも見ることができる可能性がある。「2階後方立見」(2000円)はその名の通り2階スタンド席後方の立見席で、立ち位置は指定になるという。
そして「ここにいたこと席」は、結果発表の瞬間に「そこにいたこと」を証明する席だ。メンバーと一緒に興奮と熱気を体感できるが、「ステージセットの真裏に位置するため、『包まれる』ことはできても『見る』ことはできません…。どうか、0.1%も期待しないでください」と注意書きがある。
劇場支配人の戸賀崎智信氏は、
「セット裏のベニヤ板をむなしく眺めているより、いっそまぶたを閉じるのも手です。開くのは、心の目。ステージ下で不安げに待機するメンバーたち…。予想以上の順位で名前を呼ばれて喜びを爆発させるメンバー。ここで呼ばれてしまったかと、悔し涙をこらえるメンバー。それぞれの思いを胸に、ステージへ、つまりあなたが座る席へと向かって歩を進めます。どうか、温かい拍手で迎えてやってください。その広い心で、夢を追う少女たちを勇気づけてあげてください!そんな状況でも楽しんでいただける真のAKB48ファンの方のみ、ご応募くださいますようお願いいたします」
とメッセージを送っている。気になるチケットの料金は480円。
ちなみに、「ここにいたこと」とはAKB48が2011年6月にリリースしたアルバムのタイトルだ。
伝説のクソ席「音席」よりさらに期待できない?
イベントの運営に携わるサンライズプロモーション東京によると、「ここにいたこと席」をどのくらい用意するか、本当にステージが見えないのかなど、詳細については一切非公表だという。どんな座席なのかはチケットを買って当日会場に入った人しかわからないのだ。
死角席、2階後方立見、ここにいたこと席はモバイルサイトの会員とファンクラブ「二本柱の会」会員限定の特別抽選販売となる。
AKB48は2012年3月にさいたまスーパーアリーナで行ったコンサートでも「音席」という480円の座席を販売した。これもステージが確実に見えない席で、「この際、『クソ席』と申し上げたほうがよいかもしれません。お客様の視界にメンバーが入ることは、まずございません。どうか、1%も期待しないでください」とブログに書かれていた。
「ここにいたこと席」は「音席」よりさらに期待値が下がっているため、ステージの様子は一切わからないことが予想される。しかし実際音席でコンサートを見たファンはステージ裏で待機するメンバーや花道を移動するメンバーの姿を目にすることができたため、「音しか聞く事の出来ない糞席というから買ったのに糞席でも何でも無かった だからこんな言葉に俺は騙されない」と「ここにいたこと席」に期待する声もあがっている。