「それほど一喜一憂することない」
上場当日の5月18日は、ナスダック市場の取引開始が予定より30分も遅れた。過去最大級のIPOの売買高で、顧客からは「売買注文の確認がとれない」との苦情がナスダックや証券会社に殺到した。
ナスダックは取引システムによる初値の算出に遅れが生じたことが混乱を招いた、としているが、買いたいとき、売りたいときにすぐに売買できないとなれば、それだけでデイトレーダーは市場への警戒感を強めて取引をやめてしまう。
証券会社にしてみれば、フェイスブックの上場を機に、売買の活性化につなげたかったのに、株価が公開価格を割り込む水準ではそんな思惑もすっ飛んでしまった。
とはいえ、グーグル株はIPO時に終値100ドルでスタート。それがピーク時(07年11月)には747.24ドルにまで高騰し、いまも600ドルを維持している。それを思えば、長期保有は株式投資の「王道」ともいえる。
前出の野村証券の村山氏も、「IPO後に値幅がぶれることはよくあります。株式市場全体が低迷しているときに上場し、しかも初日に値を上げているのですから、それほど一喜一憂することはありません」と話す。