言葉は辛らつでも意見は曲げない
それでも楊氏は、自身の主張にこだわる。中国の英字紙「チャイナ・デイリー」の取材に対して、今回の発言の理由として「最近発生した外国人による中国人暴行事件」を挙げた。言葉づかいで誤解を与えたかもしれないとしつつも、「外国人が中国に滞在する以上は、中国の法律や慣習にしたがうべきだ」と話したという。さらに、
「私の言葉は辛らつかもしれないが、自分の意見は曲げない」
と断言した。
楊氏は、現在キャスターを務めるトーク番組に開始当初からかかわっている。有力な政治家をはじめ海外の著名人とのインタビューを通して、国際情勢の報道の最前線に十数年間立ち続けていた自負が「チャイナ・デイリー」へのコメントからはうかがえる。それにもかかわらず、今回の発言で一部から「外国人差別を助長している」と非難され、我慢がならない様子だ。
一方で、国営テレビ局のキャスターとしての立場もあるかもしれない。「微博」への投稿の背景には、公安当局による不法外国人の取り締まり強化があり、これを支持した格好なのだ。2012年1月20日に放送されたパキスタンのテレビ局のインタビューで、楊氏は、「トークの最中に不快な状況に陥ったらどうしますか」と問われ、こう答えている。
「自分がどうこうではなく、中国という国のスポークスマンとしての役割を果たそうと努めるでしょう」