支出は最低、収入の伸び率は最高。収支は「理想の形」だが……
さらにDeNAの実像が明らかになったのは14日にプロ野球選手会が明らかにした球団別年俸。それによると、DeNAは総額15億1160万円、選手1人の平均は前年より1077万円減の2399万円でいずれも12球団最下位。
ちなみにトップは4年ぶりに返り咲いた巨人で、総額34億1880万円、1人平均5894万円。その巨人をライバルとするとは、DeNAはなんともいじらしいではないか。
つまりDeNAは最低の年俸支出、最高の動員収入増ということだから、企業としては「良い形」。そんな中での「金返せ」の一件は計算外だった。返金で「もう1試合見ることができる」「食事代になる」と。ファンは球団ほどの熱さはなく、実にクールで現実的だったわけである。
ただやはり野球は年俸の高い選手の集団ほど強い。プロ野球には投資が必要だ。長い目で見たときに、今後、DeNAは「安物買いの銭失い」にならないか。少し心配ではある(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)