犯人の正体明かさずに死ぬのが心残りだった
シリーズのプロデューサーを務めていたノアズブックスの梶原秀夫さんによると、吉村さんは4巻執筆中の4月下旬に入院。がんだということが分かり、そのまま亡くなってしまったが、死の一週間前、自分の訃報を伝える上記の文章を梶原さんに託していた。
「既にパソコンを打てる状態ではなかったので、レポート用紙に書かれたものを受け取りました。『QAZ』が登場するシーズン1は5巻で終わる予定で、全体の構成も出来ていた。正体を明かさずに死ぬのが心残りだと話していました。どうやって明かすかは今後遺族と相談して決めます」
吉村さんは生前もマジックで周囲の人を驚かすのが好きだったという。
吉村さんの訃報と遺言はネットでも話題になり、ツイッターでは、「最後の最後までトリックマスターだったようで。お悔やみ申し上げます」「ミステリー作家の最後の作品としてこれ以上凄いものがあるだろうか」といった書き込みが寄せられていた。