中古車や整備、部品・用品などアフターマーケットが縮小
スクラップインセンティブの効果で前回のエコカー補助金の期間中は、新車登録・届出から13年超の車の月間廃車台数が、エコカー補助金開始前の3年間の平均値に比べて約34~58%と大幅に増加した。この結果、古い車から環境性能が優れた車に乗り替えるユーザーが短期間の間に急増したが、その反面、中古車や整備、部品・用品など新車販売後のアフターマーケットを縮小させることになった。
自動車ユーザーの多くは車が新しいうちは車を購入した新車ディーラーなどに車検や点検などの整備を頼む。だが新車購入から5年、10年が経過して車が古くなると整備料金が低い零細・小規模な整備業に整備を依頼する割合が増える。
今回のエコカー補助金にはスクラップインセンティブが採用されなかったが、前回のエコカー補助金で採用したスクラップインセンティブは、未だに整備業や部品・用品卸売業の経営を苦しめている。加えて前回と今回のエコカー補助金による新車販売の増加は、整備市場の中で大きなウェートを占める車検の需要の波を変化させている。TDBは体力の弱い零細・小規模な整備業などが経営難に陥る状況は今後も続くと指摘した。