日本発の飛行機が「着陸やり直し」 北朝鮮のGPS妨害電波で「実害」

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「一歩間違えれば大事故につながりかねない危険な状況だった」

   ところが、翌5月10日の朝鮮日報の報道で、これが覆された。同紙によると、4月29日午後、大韓航空の子会社にあたる格安航空会社(LCC)のジンエアー機が新千歳空港から仁川空港に向かっていたが、着陸に向けて高度を落としていたところ、対地接近警報装置(GPWS)が誤作動した。GPWSは、地面や山と衝突するのを防ぐために、不用意に地面に近づくと警告音が鳴る。新型のGPWSでは、GPSを活用している。

   機長は誤作動に驚き、機首をいったん上げて上空を旋回し、着陸をやり直した。乗員・乗客にけがはなかったが、朝鮮日報は「一歩間違えれば大事故につながりかねない危険な状況だった」と指摘している。同様のケースが、他にも3件起こっているという。

   これを受けて、韓国政府の対応が弱腰だとする批判が相次いでいる。例えば「文化日報」は、5月10日の社説の中で、

「政府が安易な対応を続けているうちに、北朝鮮軍は韓国の対応態勢を試しながら『電子戦』の能力を高めていく」
「北のGPS挑発は、民間機・民間船舶まで狙った明らかなテロ行為だと規定しなければならない」
「同等の報復をしなければならないのは、もちろんのことだ」

と論じた。

   同日午後には、仁川市で試験飛行中の無人偵察ヘリが墜落し、地上にいた1人が死亡。国防部は、「組み立て不備が原因」だとして妨害電波との関連を否定したが、無人ヘリは電波と大きなかかわりがあるだけに、政府に対する批判が加速する可能性もある。

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