不測の事態が起き29度になった際の注意喚起だった
東京労働局に問い合わせてみると、労働基準局長名で都道府県労働局長宛に通達した「基発0520第6号」のことではないか、ということだった。その文章の中には
「事業者の自主的な取り組みとして室温を29度に引き上げることも考えられるが、その場合には、職場における熱中症を予防するよう周知を図らなければならない」
というような説明がある。
これだけを読めば、暗に29度を認めたように取れるが、東京労働局によれば、この通達は29度を認めたのではなく、逆で
「オフィスビル等の室温設定を見直す場合にあっては、まず、室温を28度とすることについて、改めて強く推奨し、各需要家の取り組みの徹底を図ることを基本とする」
という文章が文頭にあるため、29度にならないように徹底させろとの通達だった。29度の部分は、冷房機が故障したり、電力が確保できなくなったりするなど何か不測の事態が起きたとき、働く人たちの健康を守ることを説明したものということだった。
「この通達を29度が認められたと読んだとすれば、勘違いということですね」
と東京労働局では話している。