日本国内からLPGタクシーが消える?
とくに大きな影響を受けるのは、燃料を供給するLPG業界。家庭用は別にしてオートガスの分野は長い間、タクシー業界に依存してきた。トヨタのLPGタクシー生産中止は、同じ部品メーカーからLPG車用部品を調達している日産にも影響し、日本国内からLPGタクシーが消えてしまう可能性もあるからだ。
あてにしてきた需要がなくなることで自動車向けLPG需要は大幅減、廃業せざるを得ないオートガススタンドが相当数出てくるものと見込まれる。
トヨタが「もっといいクルマをつくる」ことをめざして実施した社内表彰制度「トヨタアワード2009」で、LPGタクシーの「クラウンコンフォート/コンフォート」が、豊田章男社社長のドライバーネーム「モリゾウ」を冠した「モリゾウ賞」を受賞したのはわずか2年前のこと。「地味だけど、トヨタにとって大事なクルマ」と評されたものだが、今後のグローバル競争を考えると、トヨタにとって、涙をこらえて切り捨てることが必要になったのだろう。