美智子さんに対する推薦の言葉は、絶賛というに近いもの
民間にも調査対象を広げたことが分かる一端は、1957年9月から聖心女子大などの女子大数校と複数の名門女子高校に、極秘で推薦依頼を宮内庁首脳が行っていることです。学校側はほどなく回答しており、聖心の場合、推薦の筆頭が正田美智子さんでした。ぼくたち取材班は翌58年の5月には、こうした事実をつかんでいました。
美智子さんに対する推薦の言葉は、絶賛というに近いものでした。また他校から寄せられたものを含めて推薦候補の中で断トツに評価が高かったのですから、最初にそれを読んだ黒木侍従は強く心を動かされたに違いありません。
約1か月前の1957年8月に軽井沢で皇太子さまチームと偶然テニスをした正田美智子さんと同一人だと気がついて、運命的なものをも感じたことでしょう。ただちに美智子さんについて、入念な独自調査に取りかかりました。
この有名な「1957年8月19日の軽井沢テニス」については、皇太子さまがこのテニス場で試合をしたのは初めてで、後で説明しますが、美智子さまとの出会いは偶然でした。お妃選考首脳らのお膳立てがあったわけではありません。