文春「記事内容に絶対の自信」
朝日側は、「社の経費を不正に使用した事実も、若宮がそれを認めた事実もありません」とコメントしたとした。
文春の記事では、若宮氏と朝日側などの主張が異なる点も書いている。
それによると、若宮氏は、秘書同行について副主幹にも相談したとしたが、副主幹の1人は、秘書がいなくなると若宮氏が言っただけだと文春に説明した。また、若宮氏は、出張費について経理を通っていたとしたが、文春が朝日側に取材したところ、経理責任者に説明し、承認を得るべきだったとコメントした。若宮氏は、出張が問題にされて支払ったと明かしたことに対し、朝日側は、若宮氏が自主的に返納したとコメントしている。
朝日側は2012年5月9日、文春の記事に対し、「事実無根の記述で本社主筆と本社の名誉、信用を著しく毀損する」として、謝罪と訂正記事の掲載を求める抗議書を前日に送ったことを紙面で明らかにした。そこでは、「記事の見出し部分や本文で『不正』との事実無根の記述を繰り返し、主筆があたかも不正行為をしたとの印象を読者に与えた」と言っている。
記事では、朝日の主張も併記しており、不正というのは文春側の論評にならないのか。この点について、朝日新聞社の広報部では、取材に対し、「記事中の『会社のカネを不正につかった』『不正が発覚した』との記述は、お尋ねのような『論評』ではなく、証拠等によって事実の有無を立証することが可能な『事実の摘示』にあたります」と説明した。
また、新聞の主筆が公的機関からパーティーを開いてもらったことについては、「政府機関といっても行政機関と異なり、各国の政治家や学者、有識者らとの交流・意見交換を深めることを目的とした外郭団体です」「若宮は現地で講演をしましたが、主催者から謝礼は一切受け取っていません」と言っている。
なお、週刊文春の編集部では、「記事内容については、絶対の自信を持っております」とだけコメントしている。