強いブランドを有力メーカーが奪い合う
缶コーヒーやペットボトル入りのお茶などの国内飲料市場は頭打ち傾向が続く。市場調査会社「飲料総研」によると、市場規模は2000年代半ば以降、ほぼ横ばいか緩やかな成長にとどまり、昨年は約3兆5000億円。こうしたなか、高い商品開発費を投じて新商品を生み出してもなかなかヒット商品が出なくなっている現実もある。このため、消費者に深く浸透した「強いブランド」をアサヒなどの有力メーカーが奪い合う形の再編が活発になっている。
2009年にはサントリーホールディングスがニチレイからアセロラ飲料事業を買収し、昨年3月にはサッポロホールディングスが、缶コーヒーが主力商品のポッカコーポレーションを子会社化した。昨年5月には伊藤園がヨーグルトなどの乳業メーカー、チチヤスを買収した。業界内には「米国などに比べてまだまだメーカー数が多く、日本は再編の余地がある」との声もあり、近い将来にさらなる大型のM&Aが実現する可能性もある。