橋下徹大阪市長が、囲み取材で女性記者相手に「逆質問」し、「答えられないならココに来るな」などと激怒した。女性記者も負けじと質問を繰り返した。
テーマは、いわゆる「卒業式の国歌斉唱時、教員の口元チェック」問題だ。「逆質問」への答えを求める橋下市長と、質問を続けようとする女性記者との押し問答などが続いた。
「今日の記者は酷かったな」
橋下市長は2012年5月8日のツイッターで、
(1ツイート略)「MBS放送のボイスは権力チェックに必死過ぎて、権力批判が自己目的化しちゃっているからしょうがないけど、それにしても今日の記者は酷かったな。 http://bit.ly/JbdHmL via web毎日毎日、朝と夕方こんなやり取りやっています。それと週に一度の記者会見」
と8日の囲み会見を話題に持ち出した。会見の模様の映像を公開しているネット動画のリンク先も紹介した。以降、12ツイート以上繰り返し、動画紹介も複数回、続けた。よほど動画を見て欲しいようだ。
動画は30分近くあり、ほとんどがMBS(毎日放送、大阪市)の女性記者とのやりとりだ。動画は、大阪市が毎回、公開している。
MBSが、「口元チェック」問題関連で、府内の公立高校の校長にアンケートをしたところ、「過半数」が「やり過ぎだと思う」と答えたという結果だったようで、女性記者は、「思想・良心の自由」を定めた憲法19条との関連などを質問した。
女性記者「かみ合わないなと…」
一方、橋下市長は、質問以前に「基本的事実」の理解度を確認しようとした。「起立斉唱を命じたのは、誰が誰に対してか」という「基本的なこと」を女性記者が「勉強していない」などとして、激しい口調で「逆質問」を繰り返した。
「誰が誰に?」「答えられないならココに来るな」「(元資料を)読んでから来い」
といった調子だ。以降も、
「質問の仕方が悪い」「あまりにも勉強不足」「自分でとんちんかんなのが分かってないの?」
と厳しい指摘を続けた。女性記者が何を質問したいのかが、分からないとも話した。
女性記者は、橋下市長からさえぎられながらも、質問を続けようとし、結局、会見の終わりの方では、「(質問は)これぐらいにしときます」「かみ合わないなと…」と「逆襲」した。
橋下市長が「何を質問したいかが分からない」といい、質問者の女性記者も「かみ合わない」と話したバトル会見について、市役所の公開動画ではコメントをつけることができない設定のため、動画をみた視聴者の印象はすぐには分からなかった。動画を見た人が今後、ネット上で感想を書き始めると、どんな内容になるのだろうか。