地域社会の「再生案」は、被災者との対話を通じて【岩手・大槌発】

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被災の状況を説明する内陸避難者(被災者)の皆さん=花巻市西宮野目の結海で
被災の状況を説明する内陸避難者(被災者)の皆さん=花巻市西宮野目の結海で

(ゆいっこ花巻;増子義久)

   「文化遺産の保全を核とした伝承型コミュニティの再生」―をテーマとした早稲田大学(日本)と清華大学(中国)との共同調査設計ワークショップ研修が27日から5月4日まで8日間の日程で大槌町で行われている。


   東日本大震災で壊滅的な被害を受けた大槌町の現地調査と被災者との対話を通じて、失われた地域社会の機能回復に向けた「再生案」(設計)を追求するのがねらい。ワークショップでは(1)お祭りや神社などの文化遺産空間(2)地域包括ケアや地域型公営住宅などの福祉空間(3)水産業や農業、醸造、バイオマス、風力、IT 産業などの産業空間―の三つ観点から復興の可能性を探る。


   両大学の建築関係の教授・学生など約30人が参加するほか、大槌町教育委員会、地域型復興住宅連絡協議会、東北銀行、公益財団法人さわやか福祉財団、それに「ゆいっこ花巻」も協力。初日の27日は花巻市内で避難生活を送っている5人の被災者から被災当時の状況や今後のまちづくりのあるべき姿などについて聞き取り調査をした。また、震災の際の奇跡的な救出劇がきっかけになって誕生した、三陸と日本海の架け橋交流産直「結海(ゆうみ)」(花巻市)についても「内陸避難者のコミュニティ形成のモデルケース」として調査スタッフの注目を浴びた。


   29日は大槌町の波板交流促進センターで、早稲田大学の中川武教授(文化遺産から学ぶ自然思想と調和した未来型復興住宅)、精華大学の羅教授(中国の郷土建築調査)、国立民族学博物館の竹沢尚一郎教授(まつりと復興)らによる基調講演も行われる。



ゆいっこ
ゆいっこネットワークは民間有志による復興支援団体です。被災地の方を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資提供やボランティア団体のコーディネート、内陸避難者の方のフォロー、被災地でのボランティア活動、復興会議の支援など、行政を補完する役割を担っております。
ゆいっこは、「花巻」「盛岡」「北上」「横浜」「大槌」の各拠点が独立した団体として運営しておりますが、各拠点の連携はネットワークとして活用しております。
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