大阪府の公立中学校が高校入試の際に出す内申書の評価法について、大阪市の橋下徹市長はツイッターで、府教委事務局の姿勢について、「これはおかしい」「事務局が(略)政治判断をしていることに等しい」と批判した。
大阪府では現在、高校入試の際の公立中学3年の内申書について、全国で唯一、相対評価を採用している。橋下市長は、他都道府県のように絶対評価にするよう主張している。
知事も委員長も文科省も「絶対評価」なのに…
橋下市長は2012年5月7日のツイッターで、
「さて大阪の内申書ですが(略)大阪府民だけが大阪の特殊性を知りません。陰山(府教委)委員長も絶対評価、先ほど松井知事と話しましたが知事も絶対評価です。にもかかわらず何故相対評価のまま?これは事務局の価値観なのでしょうか?」
と指摘した。
文部科学省は2001年、指導要録を絶対評価とするよう通知し、高校入試の内申書でも絶対評価が望ましいとしている。大阪府以外の都道府県は、すでに絶対評価を導入している。
橋下市長はさらに、
(1ツイート略)「ところが内申書問題では大阪府教委事務局は文科省の指導を頑なに拒否している。これはおかしい。これは事務局が文科省の通達に従うのか従わないのか政治判断をしていることに等しい」
「僕らは何でもかんでも霞が関に反対しているわけではない。おかしいと思った場合に反対するだけ。今回の内申書問題では松井知事も文科省の考えに賛成。陰山委員長も文科省の考えに賛成。にもかかわらず教委事務局が文科省の考えに反対するなら相当な理由が必要」(以下、1ツイート以上略)
と政治主導ならぬ「事務局主導」に疑問の声を挙げた。
委員長「教育振興計画に盛り込む方向で考えたい」
陰山英男・府教委委員長も、以前から絶対評価の必要性を訴えており、橋下市長とツイッター上で5月6日にやりとりをする中で、
「入試の評価方法の改革については、教育振興計画に盛り込む方向で考えたい(略)」
と具体的に「教育振興計画」に盛り込む目標を示した。
教育振興計画は、橋下市長らが主導した府の新教育基本条例に基づくものだ。府教委との協議が不調に終われば、知事が案を決定し、議会同意の上で成立する仕組みだ。知事による「政治主導」が可能な形だが、陰山委員長は、府の教育委員としても絶対評価導入に向け、議論を進める考えを示したものだ。