金正恩氏「危険なゲーム」に自らを追い込む?
過去の報道などによると、北朝鮮は、ソウルなど首都圏を射程内に入れる長距離ロケット砲を300門以上配備しているとされる。
しかし、「首都圏への砲撃」を実行してしまえば、韓国側から強い反撃を受けるのは間違いない。局地戦では済まず、全面戦争につながる可能性すらある。北朝鮮はそこまで「覚悟」しているのか。
北朝鮮の「3代目」である金正恩第1書記の周辺は、「特別行動をとる」と北朝鮮国内の世論を高めつつ、対外的には「平和を愛する自分(正恩氏)が、何とか行動を抑えているのだ」とアピールする狙いがある可能性もある。
しかし、このまま何もしなければ、韓国などから「口先だけの恫喝外交だ」と完全に見透かされ、今後は「瀬戸際外交」が通用しなくなるというジレンマも抱えているはずで、正恩氏は「危険なゲーム」に自らを追い込んでいる形だ。
辺編集長は、「(正恩氏周辺は)局地戦までは考えている」と見ている。近く北朝鮮が実施に踏み切るとみられる核実験も含め、予断を許さない情勢のようだ。
韓国軍は5月7日、在韓米空軍との合同戦闘訓練「マックスサンダー」を始めた。韓国西部空域で18日まで実施する。定期訓練だが、過去最大規模となる60機が参加するなど、「特別行動」を宣言した北朝鮮の軍事的挑発をけん制する狙いがあるとみられる。