「歳入庁の創設」進まないのは 財務省の「陰謀」なのか

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共通番号「マイナンバー」制度の導入も必要不可欠

   一方、旧社保庁は自治体業務と人員を吸収した経緯から、地方事務所を中心に、国の組織なのに自治労加盟労組が強かった。自治労と言えば旧総評の左派の中心的存在。「その職員を徴税にかかわらせることは、国税庁としては絶対に認められない」(同)というわけだ。自民党の谷垣禎一総裁が「(旧社保庁は)モラルが低かった。税を集める機能がガタガタになる」と歳入庁に反対するのも、「徴税の重み」を意識してのこととみられる。

   そもそも、小口の保険料を集める年金機構と、巨額の脱税まで追う国税庁の業務の性格が違いすぎるとの指摘があるし、効率化には巨大なシステムの統合が必要だが、それは「10年がかりの大仕事」(国税庁幹部)。当然、納税と社会保障などの情報を管理する共通番号「マイナンバー」制度の導入も必要不可欠になる。ことほど左様に、実務的な関門も多く、歳入庁実現までにはまだ一山も二山もありそうだ。

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