消費者庁「ガチャ」商法に問題ありと判断 ゲーム収益に影響大きい?

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   グリーや「モバゲー」を運営するディーエヌエー(DeNA)などが提供している携帯電話のソーシャルゲームで、「コンプリートガチャ」と呼ばれる商法が景品表示法に違反する疑いが出てきた。

   消費者庁が「問題あり」と判断したようで、連休明けにも業界団体を通じて注意喚起するとみられている。

   ソーシャルゲームは、約4割の利用者が「毎日利用する」(MM総研調べ)成長市場だけに影響は大きい。

「レアアイテム」ほしさに数十万円を使うことも

   消費者庁が問題視している「コンプリートガチャ」と呼ばれる商法は、カプセル入りのおもちゃが出てくる自動販売機である「ガチャ」をイメージした商法で、1回あたり数百円を支払うとゲーム内で使う「アイテム」が当たる仕組み。

   ただし、1回でどんなアイテムが当たるかはわからず、クジのようになっている。

   一方、「コンプリートガチャ」は、ガチャで購入したアイテムのうち、一定の組み合わせをそろえると、より希少なアイテム(レアアイテム)を獲得できる仕組みで、すべてをそろえようとすると数十万円を使ってしまうケースもある。

   2012年5月2日時点で国民生活センターなどに寄せられたオンラインゲームに関する苦情や相談には、「ゲームで知り合った相手とアイテムを交換する約束をした。自分は5万円もつぎ込んだアイテムを渡したのに、相手からは送られてこなかった」、「携帯ゲームで基準を満たすとアイテムがもらえるはずだが、付与されない。どうしたらよいか」といった、ゲームの「アイテム」をめぐるトラブルが少なくない。

   「コンプリートガチャ」についても、「子どもの射幸心を煽る」「子どもが夢中になり、高額な料金を請求された」といった苦情や相談が増えてきたことから、消費者庁は事態を重くみた。

   レアアイテムをそろえるのに、いくつアイテムを買えばいいのかわからないため、つい当たるまで買ってしまう。消費者庁はそんな商法が、商品やサービスの品質や内容、価格を偽ったり、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限したりしている景品表示法で禁止している「懸賞」にあたると判断したようだ。

「レアカード」ほしい! 昔からあったが…

   ソーシャルゲーム市場は、2012年には約3400億円市場(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に成長すると予測される。そうした中で、「コンプリートガチャ」は11年から急速に普及しはじめ、ソーシャルゲームの収益の柱の一つとなろうとしていた。

   「コンプリートガチャ」を組み込んだゲームには人気のゲームが多く、ソーシャルゲームの「主流」になりつつあっただけに、ゲーム会社にとって「規制」されれば、痛手は小さくない。

   とはいえ、昔から似たような商法はあった。お菓子メーカーは、人気の野球選手などのカードをポテトチップスの袋に入れて売っていたし、天使や悪魔のシールが当たるチョコレートも登場。シールだけ収集してチョコレートを捨ててしまう子どもが現れるなど社会問題化したが、「コンプリートガチャ」と同様に「レアシール」ほしさに何個も買いしめた子どももいた。

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