国内に約50基ある原子力発電所で唯一、稼働していた北海道電力泊原発3号機(出力91万2000キロワット)が2012年5月5日夜、定期検査のため停止した。
国内の原発がすべて停止するのは1970年、当時2基しかなかった原発が検査のため同時に停止して以来42年ぶり。
電力需要の高まる夏を「原発ゼロ」で迎える可能性
北海道電力によると、泊3号機は検査に向け、4月28日から徐々に出力を落とし、5月5日17時ごろ、核分裂を抑えるための制御棒を原子炉に入れ始め、同日23時ごろ発電を止めた。6日2時に制御棒の挿入を終え、原子炉が停止。7日午後には炉内の水温が100度未満に下がる冷温停止状態になる見通しという。
政府は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させたい考えだが、地元自治体などの理解を得られるめどは立っていない。電力需要の高まる夏を「原発ゼロ」で迎える可能性も出ている。
一方、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は5日夜、国内すべての原発停止を受けて、「電力の安定供給にあたり、原発は今後も大変重要な電源。安全性の確保に全力で取り組み、立地地域や社会の信頼回復に努めて、早く再稼働できるよう最大限努力する」とコメントした。