子どもたちやお母さん同士の間でも新たなコミュニケーションが生まれました
夕方頃には、「今日は新しい遊び場ができたと聞いて、孫を連れてきました」と、隣の仮設住宅に住むおじいさんがお孫さんとふたりでやって来ました。2歳のお孫さんは一人では「ゆりかごスウィング」に乗ることができませんでしたが、数人の子どもたちが一緒に遊ぼうと声をかけてくれました。遊具を通じて、住んでいる仮設住宅や学年を越えた、子どもたち同士のコミュニケーションが生まれています。
交流が始まったのは子どもたちばかりではありません。楽しそうな声がすると様子を見に来た高齢者の方々、子どもたちを遊ばせようと集まった保護者の方々が、今後の生活について相談し合ったり、情報交換をしたりできるようになりました。仮設住宅によっては、別々の地域から避難してきた方々が居住しているため、周囲に顔見知りもなく、部屋の中にこもりがちになってしまう方も少なくありません。そんな中、できあがった子どもたちの遊び場が、皆さんの交流の場となったのです。
4月13日までに、相馬市内の3ヵ所の仮設住宅で屋外遊具の設置が完了しました。また、相馬市内外の仮設住宅集会所や保育園への屋内遊具の支援も行っています。日が長くなってきた今、子どもたちは暗くなるまで遊び場を離れません。久しぶりに思いっきり体を動かした子どもたちからは、「大きなすべり台で遊びたい」、「一輪車がほしい」、「ジャングルジムに登りたい」など、かわいらしい要望が次々と聞こえてきます。難民を助ける会は、これからもこうした子どもたちの声を大切にしながら、遊具の設置を含め、福島での支援活動を継続してまいります。
(難民を助ける会 東京事務局 宮崎佐和子)
認定NPO法人 難民を助ける会
1979年、インドシナ難民を支援するために、政治・思想・宗教に偏らない市民団体として日本で設立された国際NGOです。
2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、地震発生当日より活動を開始。宮城県仙台市と岩手県盛岡市に事務所を構え、緊急・復興支援を行っています。
活動にあたっては、特に支援から取り残されがちな障害者や高齢者、在宅避難者、離島の住民などを重点的に支援しています。食料や家電などの物資の配布、炊き出し、医師と看護師による巡回診療など、多面的な活動を続けています。
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