市場全体を「トクホ飲料」がけん引
「特定保健用食品」、通称トクホは個々の製品ごとに消費者庁長官の許可を受けて、保健の効果(許可表示内容)を表示することのできる食品をいう。
からだの生理学的機能などに影響を与える成分を含んでいて、血圧、血中のコレステロール値を正常に保つことを助け、整腸作用に役立つなどの「特定の保健の効果が科学的に証明されている」ことが前提だ。もちろん、国に科学的根拠を示して、有効性や安全性の審査を受けている。
最近は中性脂肪やコレステロールが気になっている人は少なくなく、これらの数値を「飲んで下げよう」という「トクホ飲料」はさまざまな商品が販売されている。
なかでも、目につくのはサントリーの「黒烏龍茶」や花王の「ヘルシア緑茶」などの「お茶系」飲料だ。キリンビバレッジの「午後の紅茶ストレートプラス」も「トクホ飲料」。食中・食後によくあうストレートティーで、 食事と一緒に飲むと「難消化性デキストリン」が糖の吸収を穏やかにして、食後の急激な血糖値上昇を抑えるという。
日本健康・栄養食品協会が2年ごとに行っている特定保健用食品(トクホ)市場調査(飲料以外を含む)によると、2011年の市場規模は5175億円で、前回調査(09年)の5494億円から5.8%減った。ピークは07年の6798億円だった。
ところが、トクホ飲料の発売は相次いでいて、アサヒ飲料が12年1月に主力商品の「十六茶」で脂肪吸収の抑制でトクホを取得したほか、伊藤園も2月に、体脂肪とコレステロールと2つの表示許可を得た「トクホ烏龍茶」を発売するなど、トクホ市場をけん引している。