「断捨離」した被災者が家電リサイクルで支援【福島・いわき発】

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   3・11の大地震の影響で家を解体することにした。欲しいものはどうぞ――。いわき市平の中心市街地の一角、カミサンの同級生の家から洗濯機や食器、その他(=写真)を救出して、わが家の近くの伯父宅に運んだ。去年の4月中旬のことだ。


   いわきのハマ(豊間)にあって、津波が家と人をさらっていくなか、ぎりぎりで助かった。が、しばらく避難所生活を余儀なくされた、という知人夫妻がいる。震災直後、連絡がとれた際に「あるなら欲しい」というので、解体前にマチの家から洗濯機などをもらってきたのだった。


   知人夫妻はときどきわが家に来る。早く自分たちの"持ち物"を引き取っていけばいいのに、もうちょっと待って、もうちょっと待ってで1年がすぎた。先日、その夫妻から「火事で焼け出された人がいる」という電話が入った。直接の知り合いではないが、知り合い(県議)を介して連絡がきたのだという。


   窮状を知った以上は応援しないわけにいかない。自分たちの"持ち物"である洗濯機などを、そちらに回すことにした。


   きのう(4月28日)、知人夫妻のほかに、市議時代から知っている県議が男性一人を乗せて、軽トラを運転してやって来た。洗濯機などのほかに、カミサンの同級生から届いたばかりのふとん一組、手元にあった食器を提供した。


   大地震をしのいだら、火災に遭った。火事になればすべてが灰になる。震災と違って支援も行き届きにくい。震災で出たとはいえ、家電・家具・食器などが必要とされるところで再利用される――ダンシャリをした被災者にとっては喜ばしく、一時保管をした私らにとってはすっきりできるリサイクルとなった。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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