「妻と子どものために時間とお金を犠牲にしたくない」
2010年の国勢調査では「35歳過ぎて結婚できた男性はわずか3%、女性は2%」という衝撃的な結果が出ていた。なぜ結婚をしない人が増えているのだろうか。
「結婚しなくても困らない、1人でも生きていける時代というのが大きいです。昔は結婚しないと社会的に追いやられることもあったけど、今は未婚が珍しいことではなくなり、結婚のメリットを感じられないんです」
こう話してくれたのは婚活コンサルタントの大橋清朗さんだ。大橋さんは特に30代後半から40代の未婚男性について、20~30代で恋愛していなかった人は自分のために時間もお金も使えたが、結婚するとなるとそれを妻と子どものために犠牲にしなければならない。老後や親のことを考えて結婚しなければならないと思うが、結婚したい気持ちがないのでいい相手でないと結婚しようと思えない。結婚相談所などでそういった男性が希望するような女性は、よほどお金を持っているなどのメリットがないと男性に会いもしないのだという。希望の女性に相手されず、男性はどんどん結婚へのモチベーションを下げる結果となる。
生涯未婚率が90年頃から急上昇している件については、不景気の影響が大きいと分析する。女性から結婚を迫っても、男性は経済力がないと踏み出せない。女性は安定した高収入を得られる男性を選ぶようになり、そうでない女性は「この人と結婚するくらいなら」と1人で生きる道を選ぶそうだ。しかし「男女がいれば恋愛は必ず発生する」「女性が出産を希望する限り結婚する人は必ずいる」といい、未婚率は今後高くても3割程度を推移するだろうとも見ている。
ちなみに加藤茶さん(68)や堺正章さん(69)ら、芸能界では2011年から年の差婚が相次いでいるが、現実には年の差婚は全く増えていないという。東日本大震災などの影響で「絆婚」も叫ばれたが、「確かに結婚に対する意識は高まったが、結婚自体が増えた実感はない」とのことだった。