国連の大陸棚限界委員会は2012年4月27日(日本時間)、太平洋の4海域を日本の大陸棚として認定した。これにより日本の国土面積の約8割という広大な海域で、レアメタルやマンガンなどの海底資源開発を進めることが可能になった。
認められた中には、「日本最南端」沖ノ鳥島北方の海域も含まれる。沖ノ鳥島については中国・韓国が「島ではなく岩」と主張するなど微妙な立場に置かれていただけに、今回の認定に「国連が島として認めてくれた!」などとネット住民は快哉の声を上げている。
日本海単独表記に続く「成果」?
沖ノ鳥島は東京から1740キロの南に位置するサンゴ礁の島だ。面積は7.8平方キロと東京の国立市と同じくらいの広さだが、高いところでも標高数十センチほどしかないので、満潮となると2つの頂を残して海に沈んでしまう。中国・韓国が「岩」と主張するのもそのためだ。
この点を踏まえ、今回の大陸棚限界委員会では、島南側の海域については審査を先送りしている。とはいえ沖ノ鳥島を起点とした海域を日本の大陸棚として認めたことは、事実上沖ノ鳥島に「島」としての「お墨付き」を与えたと受け止められ、ネット上でも、
「日本大勝利!」
「うおおおお領土っぽいのが増えたぞ」
「国 際 機 関 も 認 め た 沖 ノ 鳥 島」
と、明るいニュースとして歓迎する声が広がった。特に中国、韓国の反対を「抑えて」の認定という点も好印象を与えたようだ。
偉いのは誰だ
26日には国際水路機関(IHO)総会で、「日本海」単独表記の維持が決まったばかりだ。立て続けに日本の「威信を守った」格好の現政権に対し、
「また野田の成果かw」
「意外と日本の外交は優秀なのか」
と評価する声が上がる一方、今回の申請は2008年の麻生太郎政権時代にされたことから、
「民主党の手柄じゃないぞ。麻生政権時代の手柄だぞ」
「大陸棚拡張は麻生政権の成果」
と主張する人、はたまた視察や魚礁の設置など沖ノ鳥島問題に積極的にコミットしてきた石原慎太郎・東京都知事こそが影の功労者だとする説も飛び出していた。
結局のところ「殊勲甲」は誰なのか。自民党の佐藤正久・参議院議員はツイッターで、
「『島か岩かの議論は別にやろう』と大陸棚認定議論から切り離した外務省の作戦勝ち」
と評している。