小学館が2012年4月23日、人気アニメ「ドラえもん」のDVDの一場面に、「児童向けアニメーションにはふさわしくない言葉」が書き込まれていることが分かったとして、修正したDVDと交換すると発表した。不適切な文言が映り込んでいたのは、ほんの一瞬だが、「交尾」「コンドーム」といった性的な文言だ。小学館では、「不快の念をいだかれた方に、心よりお詫びを申し上げます」などと陳謝している。
1979年のアニメ放送スタート時の作品を収録
交換の対象となったのは、11年発売の書店向けDVD「ドラえもんTVシリーズ名作コレクションDVD ゆめの町ノビタランド編」(発売元・小学館)と、ビデオ店向けの「ドラえもんタイムマシンBOX1979」(発売元・テレビ朝日、小学館)。これまでに、書店向け作品は5万8600部、ビデオ店向けは8100部製造された。
広く親しまれているテレビ朝日系のアニメの放送は1979年にスタート。両製品とも、このスタート直後に放送された作品を収録しており、その中の「一生に一度は百点を」に、2秒程度問題の場面があった。
「一生に一度は百点を」は、まんがの単行本でも第1巻に収録されている、きわめて初期の作品。どんな難しい問題でも簡単に解ける道具「コンピューターペンシル」がテーマだ。
アニメでは、宿題が進まずに自暴自棄になる主人公の「のび太」に対して、ドラえもんが「それで宿題やってごらん!」と、のび太にコンピューターペンシルを差し出す。のび太は道具のおかげで、すらすらと問題が解けることに驚く、という流れだ。この場面で、のび太のノートがアップになるのだが、そこには
「交流回路で消費される精力」
「交尾回路で消費される電力」
「負荷がコンドームーの時」
といった文言が確認できる。小学館では、この文言を「当時の一部の制作関係者が記入した『いたずら書き』」だと説明。放送から30年以上が経過して、外部からの指摘で明らかになったといい、同社では
「当該場面をご覧になり、不快の念をいだかれた方に、心よりお詫びを申し上げます。また長きにわたり事態を掌握しなかったことを、深く反省しております」
とするコメントをウェブサイトで発表している。