過激な日銀法改正試案も公表される
19日には小沢鋭仁元環境相、馬渕澄夫元国土交通相を中心にした勉強会が、日銀法改正試案を発表し、(1)政府がインフレ目標を決めて日銀に指示できる(2)政府に従わない正副総裁、審議委員を解任できる――という過激な内容だ。
市場では、27日の次回の決定会合で追加緩和は不可避との見方が一般的で、20日までに早くも緩和を先取りする形で円相場は1ドル=81円台と、やや円安に振れている。
ただし、実際の手段、基金で買い入れる長期国債を、残存期間2年以上のものに拡大することくらいともいわれ、圧力をかける側からも「政府・日銀一体で取り組んでいることを示すことに意味がある」(財務省筋)との声が聞こえる。消費税法案を通すためのポーズが必要というわけだが、日銀にとっては「ここまで露骨に政治から圧力が来たことはない」(元理事)という非常事態。特に、河野氏の審議委員不承認は、政策スタンスを理由に人事が初めて拒否されただけに、ショックは大きい。
実質的なインフレ目標導入で、「市場は継続的な緩和を織り込んでしまった」(エコノミスト)。果敢な政策が、逆に首を絞めているとしたら、皮肉だ。