政治圧力で日銀追い込まれる 追加の金融緩和策は不可避

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政府・与党の焦りの背景に消費税政局

   11年11月25日の8160円を底に、世界各国の相次ぐ金融緩和策を背景に上昇に転じ、3月27日は1万255円と、震災当日を上回った日経平均株価も、4月10日は9538円に下げ、その後も9500~9600円台で低迷が続く。

   政治サイドのリアクションは強烈だった。11日の円高・デフレ対策を話し合う民主党の合同会議では、日銀への不満が相次いだ。野田佳彦首相も13日、デフレ脱却に向けた対策を検討する閣僚会議の初会合で、「当面、2013年度までを念頭に置いて、効果的な経済政策のあり方を検討してほしい」と発言。ロイター通信は「(日銀への)圧力が『無言』から『公式』になった」と解説した。

   政府・与党の焦りの背景には消費税を軸とする政局がある。消費増税法案は、増税するための努力目標として「経済成長率を名目3%、実質2%程度に早期に近づける」との文言が盛り込まれた。消費税率を2014年4月に8%に引き上げるには、遅くとも2013年の秋ごろまでには物価上昇率1%が展望できる必要がある」(金融筋)わけだ。

   もちろん、野党も日銀の「味方」ではない。4月5日には、日銀審議委員にBNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストを起用する政府提案が、野党多数の参院で否決された。河野氏が財政再建論者で金融緩和に消極的と見られたからだが、そうした考えは与党内にも少なくない。

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