大リーグでまもなく50歳になる勝利投手が出現した。現地2012年4月17日のことである。日本でも47歳になろうという勝利投手が生まれたばかり。
これまでの常識では考えられない「健投」ぶりだ。プロ野球に「フィフティーズ時代」が迫ってきたのか。
49歳150日での勝利は80年ぶりの記録更新
49歳と150日。大リーグの最年長勝利の記録を80年ぶりに塗り替えたのはロッキーズのはジェイミー・モイヤー。パドレス相手に7回を2失点に抑えた。1932年にドジャースのジャック・クイン投手が立てた記録を80日更新したのである。このモイヤー、47歳のときに左ヒジを手術。昨年は登板ゼロ。普通なら通算267勝もしていたのだから引退だ。ところが今年はマイナー契約をして現役にしがみついていた。そしてチャンスをモノにしたというのだ。
ヒーローがどん底に落ちて復活する、しかも年齢のハンディを克服して。「アメリカンドリーム」を見ているようである。
記念となった試合では、時速120km台の直球と、さらに緩い変化球を駆使。打者はあまりにも遅いのでタイミングが合わず、凡ゴロと凡フライを重ねた。ナックルボーラーが通用するのと同じ理屈である。 恐れ入るのはユニホームを脱ごうとしなかったガッツ。そして、50歳寸前で手術した投手と契約した球団だ。