機関投資家も中小株に注目し始める
なぜ、「これからが注目」なのだろう――。東京株式市場が安定感を取り戻しつつある中で、野村証券は「投資家がリスクを負えるようになってきたことで、小型株を買いやすくなった」と指摘。それにより、投資家が物色する銘柄が東証1部から2部やマザーズなどに広がっているというのだ。
さらに、「東証2部など中小型株は割安感がある」とみられている。実際、株価の割安さも示す指標である株価純資産倍率(PBR、一般にPBRが1倍以下だと割安株とされる)では、東証1部がほぼ1倍なのに対して、東証2部は0.7倍程度にとどまる。
中小株は比較的これまで、個人投資家が売買の「主役」だったが、「そこに機関投資家が目をつけてきた」ことが最近の傾向のよう。もともと大型株を中心の機関投資家が、「目立たないが業績がよく、割安な中小株を物色しはじめ、安価な買い物をしようと狙っている」ことが、東証2部銘柄がさらに伸びる可能性がある背景という。
5月には、多くの上場企業が12年3月期決算の発表を控えており、個人ばかりか機関投資家も中小株に注目しはじめ、「業績のいい中堅企業への投資は活発になる」とみられる。