スカイツリーにあやかれ! 札幌、大阪、福岡…「タワー人気」に沸く

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   東京スカイツリーの開業が2012年5月22日に迫るなか、東京タワーやさっぽろテレビ塔、大阪の通天閣、福岡タワーと、全国の「タワー」の入場者数が増えている。

   全国のタワー入場者数は昨年3月の東日本大震災以降、消費者の自粛ムードもあって減少傾向だったが、東京スカイツリー開業に伴いメディアへの露出が増えたことから注目度がアップした。

創意工夫で奮闘する各地のタワー

   いまの「タワー人気」を、東京スカイツリー(高さ634メートル)がけん引していることは確かだ。

   とはいえ、北海道から九州までの20のタワーを束ねる全日本タワー協議会は、「どのタワーも、創意工夫しながら頑張っています」と話す。

   さっぽろテレビ塔(147.2メートル)はこの冬から、「展望台貸切プラン」を実施している。1日1組限定で、夜間(冬21時50分~22時20分、夏22時20分~22時50分)の展望台を30分1万円で「二人のために」貸し出したが、これが好評。「3~4月には月20組ずつの予約があります。若いカップルの利用が多いと思いがちですが、意外にも熟年カップルが多いんですよ。結婚記念日とか、還暦のお祝いに、というケースですね」(さっぽろテレビ塔)と話す。

   また、函館市の五稜郭タワー(107メートル)は2006年に新タワーに立て替えたばかり。呼びものは、幕末の歴史ツアーだ。

   幸運の神の像、「ビリケン」でおなじみの大阪の通天閣も入場者数は上向き。11年10月から6か月連続で前年実績を超えている。4月27日には展望台をリニューアルオープンする。内装は金色に統一するというド派手なもので、インパクトは強烈。5月下旬には「ビリケン」もリニューアルするという。

   福岡タワーは「(スカイツリー効果といえるのは)これからですかね」と話す。入場者数は増えている印象があるが、「(震災がなかった)一昨年と比べるとほぼ横ばい」という。

   ただ、メディアの露出が増えたことに加えて、行楽シーズンの本番を迎えて期待は大きく膨らんでいる。毎年ゴールデンウィークに企画している「超ウルトラ階段のぼり大会」も、「昨年以上の挑戦者を待っています」と鼻息は荒い。

   どのタワーも、東京スカイツリーに負けまいとする努力が、入場者数を押し上げているようだ。

差別化が「タワー人気」を支える

   全日本タワー協議会によると、東日本大震災の影響を直接的に受けたタワーは、銚子ポートタワーと千葉ポートタワー、東京タワーの3つ。しかし、「西日本でも入場者数には少なからず(影響が)あった」とみている。

   それだけに、いまの「タワー人気」を逃したくないとの思いも強く、たとえば千葉ポートタワーは、千葉ロッテマリーンズのファンクラブ会員やJAF会員などを対象に料金の値下げに踏み切るなどの手を打った。

   入場者数が比較的多い東京タワーでさえ、展望台からの夜景を見ながらの、デートスポットとしての魅力を高めて東京スカイツリーとの差別化を図る。

   全日本タワー協議会は、「タワーはその町のシンボルです。歴史のあるタワーは町の中心部にあり、展望台からはその町の息遣いが聞こえてきそうですし、建てられたばかりの新しいタワーは立地もよく、ロケーションもいい。展望台からは町の遠くまで見渡せるなど、それぞれのよさがあります」と説明。「差別化が進んでいることが、タワー人気を支えています」と語る。

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