今後、野村や日興以外にも調査対象が広がる?
公募増資に絡んでインサイダー取引が疑われるケースは、2008年のリーマン・ショック以降急増しているという。今回の増資案件で情報が漏れた相鉄HDの株価は、発表数日前から大きく下落するなど不自然な値動きを見せた。2009、2010年度に続いた電力会社などの増資でも増資発表前に株価が急落した。
金融庁に対する監視委の勧告は、情報管理を徹底しない証券会社の行為が金融商品取引法の「信用失墜行為」に当たるという指摘だ。「これ以上放置すれば海外などの投資家から東京市場への信認が揺らぎ、資金流出を招きかねない」という危機感が背景にある。「今後、野村や日興以外にも調査対象が広がる可能性が高い」。業界関係者はそう声を潜めた。