海外留学の経験は就職に有利か 「採用企業」増えるきざしも

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「留学経験者は給与2倍」を提示した企業も

   学生の就職事情に詳しいジャーナリストの石渡嶺司氏はJ-CASTニュースの取材に対して、留学を経験した日本人学生は「就職に有利」と話す。内定がなかなか取れない今の時代に、あえて休学してまで外国で学ぼうとする「チャレンジ精神」を評価する企業は少なくないというのだ。

   ただし石渡氏は、「留学の『質』が問われます」と付け加える。短期の「体験留学」や、渡航先でも日本人とばかり交流していたようでは、企業へのアピール度は低い。どこへ行き、何を専攻したかは問題ではないが、異文化の中で「さまざまな苦労を乗り越えたかどうか、何かひとつのテーマを徹底して勉強したか、が見られるでしょう」。

   米国の大学などは、授業中に同級生と英語で討論する機会が多く、宿題も驚くほど大量に出される。寮生活ともなれば、周囲との英語でのコミュニケーションは欠かせない。これらをクリアして自己の目標を達成できれば、会社としても「世界を舞台に活躍できる見込みあり」と判断する可能性が高いようだ。

   自動車部品メーカーのユーシンは、2013年4月入社の学生の中で留学を経験し、ビジネスレベルでの外国語力をもつ人を対象に、給与を1.5~2倍引き上げる制度を導入する。日本経団連は8月に、海外の大学や大学院での課程を修めた学生に対する就職説明会を開催する予定だ。

   石渡氏も「例えば日本経団連が、『留学経験者は就職活動でしかるべき処置を図るよう考慮する』といったメッセージを発信すれば、学生も『留学は就職にマイナスにならない』と理解するのではないか」と提案する。企業がグローバル化を強力に推進していく中で、社会のサポート体制も徐々に整っていくかもしれない。

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