国家公務員の採用「大幅削減」 新聞社説は「過度の抑制」と批判

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「消費増税」のつじつま合わせ

   こうした経過から、「当初案から後退」との批判が出るのは当然だが、逆に、減らすことの弊害を指摘する声も多い。大手紙の社説(産経は「主張」)は「過度の抑制は問題」(3月13日「毎日」)など、おしなべて後者の弊害批判で足並みをそろえており、年齢構成がいびつになることのほか、若年層へのしわ寄せになるとの指摘が目立つ。

   「厳しい雇用環境にある若者に、政府が率先して門戸を閉ざしていいはずがない」(3月27日「朝日」)、「給与の低い新入職員を絞ったところで人件費の抑制効果は限定的だ。・・・・・新規採用の抑制により、ポストにしがみついているだけの高給公務員の居座りを許すならば、本末転倒である」(4月4日「産経」)などと主張している。

   ではどうすればいいのか。朝日は「もっと幅広い世代で人件費を分かち合い、一定程度の採用数を確保する」というワークシェア論を展開。読売は「優先すべきは、国の出先機関の廃止や、事務の地方移管を追求すること」、毎日は「退職金の水準をただちに見直し、国家公務員の共済年金に上乗せされる『職域加算』を年金改革と同時に廃止することが欠かせない・・・・・・それこそ身を削る覚悟で優先すべきだ」と、多様な主張がされている。

   今回の採用減には与党有力議員からも「目先の数合わせに汲々とし、将来を見据えていない政策を行えば、国家の行く末は見えている」(桜井充参院政調会長)といった批判が出ている。「消費税増税のためのつじつま合わせ」(民主党若手議員)の前に、各紙社説が主張するような出先機関の廃止や年金の公務員優遇への切り込みなど、やるべき公務員改革はまだまだ山のようにあるということだろう。

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