震災後、東電顧問に官僚OB「7人」 「出身」は、財務省、外務省、警察庁…

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   東京電力が東日本大震災発生後、延べ29人の顧問に総額約1億5600万円(1人当たり平均月約90万円)の報酬を支払っていたことが明らかになった。

   「延べ29人」のうち、官僚OBは、財務省や外務省の元事務次官ら計7人だ。東電が顧問制度を廃止した2012年3月末時点では、顧問は11人おり、うち2人が官僚OBだった。どんな顔ぶれが並んでいたのか。

2012年3月末に顧問制度廃止

東京電力は、顧問制度を廃止した。
東京電力は、顧問制度を廃止した。

   河野太郎衆院議員(自民党)の質問趣意書に答え、政府が4月17日に答弁書を閣議決定した。答弁書には、廃止前の東電顧問らの報酬総額や名前、出身官庁などが書かれている。

   大震災が発生した2011年3月11日時点では、顧問が26人(全員有給)いた。その後、6月末の株主総会までに13人に減った。12月末から11人になっていた。

   11人のうち、福島第1原発事故当時の社長だった清水正孝氏や副社長だった武藤栄氏、元監査役会会長の築舘勝利氏の3人は無給だった。

   顧問が廃止された時点の11人のうち、官僚OBは2人だった。元国土交通省・技術総括審議官の川島毅氏と元警察庁刑事局長の栗本英雄氏だ。

   「延べ29人」に対象を広げると、官僚OBは先の2人に加え、5人の名前が挙がる。7人とも、大震災発生前から就任していた。

   元事務次官は、津田広喜氏(財務省)と谷内正太郎氏(外務省)。

   東電の監督官庁である経済産業省資源エネルギー庁の長官だった石田徹氏は、大震災前の2011年1月に顧問に就任したが、福島第1原発事故後ほどなく、批判の強まりを受けて4月末で退任した。

旧建設、通産省のOBも

   2001年の省庁再編以前に役所を退任していた例もある。

   藤川寛之氏は、旧建設省(現国土交通省)道路局長だった。白川進氏は、旧通産省(現経済産業省)基礎産業局長を経て東電の取締役に就任し、後に東電副社長も務めた。

   「延べ29人」のうち、官僚OB以外ではほとんどが、荒木浩・元会長ら東電役員OBだ。東電副社長を経て自民党参院議員も2期務めた加納時男氏の名前もある。ほかに、国際協力銀行OBが1人含まれている。

   そもそも「顧問」は何をする仕事だったのか。東電に聞いてみると、「経営に関わる専門的な知識と経験に基づいたアドバイスを適宜頂くため」に置いていたそうだ。

   顧問を廃止した理由は、「会社としての必要性と本人の意向等を総合的に判断した」結果だと説明した。11人の顧問のうち、有給8人の年間報酬は計7700万円で、経費削減の側面も指摘されている。

   関西電力にも、顧問についてきいてみた。「顧問は若干名いるが、詳細は公表していない」「官僚OBの顧問はいない」という回答だった。

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