アイドルグループ、ももいろクローバーZが初のオリコン1位を獲得した。依然、アイドルといえばAKBという感じの昨今だが、「ももクロ」はそんな状況を変えるのか。
2012年4月23日付けのオリコン週間ランキングで、ももクロのブルーレイ作品「『ももいろクリスマス2011 さいたまスーパーアリーナ大会』LIVE BD」が1.4万枚売上げ、ブルーレイ部門1位になった。
路上ライブからスタートして徐々に人気獲得
これまでのオリコン最高位はシングル「行くぜっ!怪盗少女」(2010年5月)などでマークした3位で、グループにとって今回が初の1位となる。
ももクロは数度のメンバーチェンジを経て、現在はリーダーの百田夏菜子さん(17)や有安杏果さん(17)らの5人で編成。芸能事務所大手スターダストに所属しており、「今最も勢いがある」と言われるアイドルグループだ。
2008年に結成された当初は路上ライブを繰り返す地下アイドルという感じだったが、従来のアイドルにないダイナミックな振り付けと、新進気鋭の作曲家、前山田健一氏らによるマニアックな仕掛け満載の楽曲が注目を集め、2010年頃から次第に人気が出た。2011年4月に「グループ随一の美少女」などと言われていた早見あかりさん(17)が脱退したのを機に、「ももいろクローバー」から現在の「ももいろクローバーZ」に改名した。
その後、11月に発売されたシングル「労働讃歌」の楽曲や衣装が奇抜な作風だったため、若干迷走しているかのように見えたが、12月には今回のブルーレイに収録された、さいたまスーパーアリーナでのコンサートを成功させている。
アイドルに興味なかった「サブカル層」取り込む
ももクロがAKBを始めとした他のアイドルと違うのが、これまでアイドルに興味のなかった層を上手くファンに取り込んだ点だ。
個性的な楽曲もそうだが、ステージでの「いいかー!お前らー!私たちがももいろクローバーZだー!」といった煽りに代表される「プロレス的」な演出がサブカル層の支持を獲得。「ももクロはアイドルではなく『ももクロ』というジャンル」と主張するファンも多い。
また、タレントなどの「業界人」の中にもファンを公言する人が少なくなく、お笑いコンビ、南海キャンディーズの山里亮太さんも最近はメディアで、ももクロの話ばかりしている。
ただ、実際に更なるブレイクを果たすかというとまだまだ未知数だ。2011年ごろからたびたび人気バラエティ番組に出演しているが、毎回の様にメンバーが「変顔」を披露するなど、やや奇策に走りがちだ。楽曲も変拍子や転調が盛り込まれてやたら凝ってはいるものの、かなりコアな音作りのため、今のやり方で今後広い層に受けるかというとまだ疑問が残る。
とはいえAKBや韓流、ジャニーズばかりが売れる今の状況でのオリコン1位は快挙だ。百田さんのブログにはファンから「おめでとう!!!これからも頑張ってね」「ももくろちゃん大きくなったねぇ」といったメッセージが寄せられている。