不安感が強いときにみせる本能的な仕草なのか
一方、演説途中で見せた動作については、「落ち着かない様子で、しきりに体を左右に動かしていた」(韓国の朝鮮日報)といった印象を、海外メディアに与えたようだ。
韓国の東亜日報は、「若くして権力を握った重圧感のためか、終始左右に体を動かし、(略)」として、「(低い声や髪型などで)金主席の真似はしたが、祖父のカリスマ性には程遠かった」と評した。YTNテレビ(韓国)は「不安感が強いときにみせる本能的な仕草だ」という専門家の分析を伝えた。
一方、「言葉のつぎ方や、体を揺らすしぐさ」について、「金主席の若いころの演説と似ている」という元朝鮮労働党幹部の声を東京新聞(4月16日付)が伝えている。
コリア・レポート編集長の辺真一氏も、情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系、16日放送)で、「おじいさん(日成氏)の声に似ている」「体を左右に揺すりながら話すという仕草もよく似ている」と指摘した。
もっとも、辺氏は、演説全体の印象は「演説を聞いた軍人らの士気が高まるような演説には、なっていない」と否定的だった。
祖父に似せるため、「力がないように聞こえる」話し方を「高度な訓練」で身につけた正恩氏は、「落ち着きがないように見える」体を揺らす素振りも「訓練」したのだろうか。それとも、単に「不安感が強い」ことがにじんでしまったのか。
中央日報は、正恩氏の「体を揺する姿」にも触れつつ、「原稿を義務的に読むようなぎこちなさ」について、「金日成も執権初期の3年間はそうだったという」と報じている。