名実ともに「日本のエース」との差は縮まるか
もう通算70勝に近い数字を残している田中。マスメディアをはじめとする周囲は、日本を代表するエースの有資格者、として扱わなければならない存在である。年俸3億2000万円という数字もそれを証明している。また私生活でも結婚(タレントの里田まい)が決まっており、すっかり大人だ。
斎藤は今シーズン、開幕投手に選ばれ、完投勝利をマークした。キャンプからの成果が出たといえる。向こう気が強い性格だけに、田中への挑戦の気持ちは並々ならぬものがあると思う。しかし、現状は残念ながらチームのエースを目指しているといったところ。今季の年俸は前年から倍増の3000万円となったものの、田中に追いつくのは容易なことではない。その大きな差をどう縮めていくか、ファンは注目している。
次回のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では、日本チームの「背番号18」(エース)をつける第1候補は田中だろう。斎藤が選出されるかどうかは、今シーズンの実績にかかっている。それほど「格が違う」のである。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)